心房細動の根治のためにカテーテルアブレーション手術をしました

アップルウォッチで心房細動を検出し、カテーテルアブレーション手術をしました。
手術と、術後に体調が回復するまでの話です。
カテーテルアブレーションをこれからしようと思っている方に参考になればと思います。
(アップルウォッチで心房細動を検出した話はこちらに書きましたのでよかったらご参照ください。)

目次

1. 症状発症から手術決定まで
2. 入院と手術
3. 退院後の経過、体調が戻るまで

1. 症状発生から手術決定まで

1年前から指摘されてた発作性心房細動が、1日中続く様になり受診。持続性心房細動に移行する傾向と言われた。心房細動は3日続くと脳血栓がいつ起きてもおかしくない状態であり、命に関わる問題とのこと。カテーテルアブレーション手術による根本治療を勧められた。

この日診てくれた先生は循環器の先生だけれども心房細動の専門ではなく、手術の決定にはその専門医の診断が必要とのこと。その先生の予約が取れたのが3週間後。それまではリスクを下げるため血液をサラサラにする薬(エリキュース)を処方。様子見となった。
ストレス、睡眠不足、そして飲酒は心房細動に良くないので避ける様に言われた。

その後もほぼ毎日アップルウォッチで心房細動の通知があり症状は治まらず。
手術以外で治す方法はなく、脳血栓のリスクを下げるためには一生薬を飲み続けなければならないと言われていたので手術することを決心した。私の歳は50代前半
心房細動の自覚症状としては、激しい動悸(バクバクする感じ)、のぼせ感、だるさ(ひどい時は座っているのも辛い感じ)。

(ちなみに神奈川県の心房細動 手術治療実績数で検索したところ4番目に多い病院であり、そこも手術を決心する一つの安心材料になりました。2022.5.13調べ)

再受診の日、手術日はさらに3週間後で決定。
入院は2泊3日。1日目で準備、2日目に手術、3日目で退院です。木曜日〜土曜日。
会社は2日休むだけで良く、月曜日には出社できるとのこと。

入院する週の月曜日、心臓のCT検査があった。造影剤を入れての撮影。

2. 入院と手術

■入院初日
11:00 受付。まずはPCR検査。
検査結果が出るまで入院は保留。
保留と言いつつも準備はどんどん進められる。
病室に通される。レンタルした寝巻きに着替える指示。
そして昼食が出てくる。
剃毛。自分で剃る様にとバリカンを渡される。カテーテルを挿入する足の付け根あたりを広めに毛を剃る。
14:00 心電図とエコー検査。心房細動はなし。
15:00 ようやくPCR検査結果、陰性が確認できて入院決定。
手術の説明。全身麻酔で約3時間かかる。尿管への挿入なしと聞いてホッとする。(尿瓶)
16:00頃、波形が変わった!と看護師が駆けつける。心拍の24時間計測器が付けられていて分かった模様。すぐに心電図が計測され、心房細動が確認された。実はこれがこの病院で心房細動が確認できた最初。これまでは会社の健康診断の心電図と、アップルウォッチの心電図でしか心房細動が確認できていなかった。それだけで先生がよく手術を判断したものだと改めて感心。
このあとに2人の看護師から「アップルウォッチでカテーテルアブレーションすることになったんですって?」と興味津々に聞かれた。レアケースの様だ。。。
16:30 手術は明日の午後から午前に変わったと告げられる。早まるのは嬉しい。これで翌日の朝食、昼食は抜きとなる。

■入院2日目
10:40 術衣に着替え。局所だけ隠れるパンツに履き替え。
11:00 手術室へ。緊張。自分で手術台へ登る。
「麻酔が覚めた時、どこか痛いのですか?」と聞いたけが、「どこも痛くないですよ」とのこと。ただ寝っぱなしなので腰が痛いでしょうと。そんなものなのか。
タオルがかけられたり、動かない様に腕にタオルを巻かれて固定されたら。術衣は脱がされる。局所はパンツは外され尿瓶がつけられる。「前貼りしまーす」と言ってた。
唯一辛かったのが温度計。胃カメラみたいなものを鼻の穴から突っ込まれる。手術中に食道(心臓の近く)の温度に異常がないかを監視するとのこと。麻酔が効く前。喉を通る時に「飲み込んで下さーい」と言われた。無事に食道までは到達したけど、その後2回くらい「おえっ」てなった。胃カメラで経験があるから対応は心得ていて、深呼吸して自分でなんとかしたけど、なんのフォローもない。(深呼吸をしてるのを見て、この人自分で対処できるなと思ったのかもしれないが)
早く麻酔が効いてほしいと思ったあたりで記憶がない。

おそらく13:30ころ、「XXさーん、終わりましたよー」と声がする。朦朧。ベッドに寝たまま移動。麻酔が覚めきらず朦朧としている。手術時間は約2時間半
痛みはない。心臓というか、胸の中心あたりに違和感があるくらい。
朦朧とした中着替えさせられている。
オムツ装着。
そして再び眠りに。

14:30 目覚める。今度は比較的スッキリ。
家族や会社へスマホでメール連絡する。
脈を測ってみる。とりあえず60回カウント。飛びもせず、早くなることもなく一定に脈を打っている。感動!
アップルウォッチから心房細動の通知はなくても、手術前は常に不整脈の状態だったので。


15:40 ベッドが起こされる。
サーっと血の気がひいたようになり、視界が薄れたのでベッドを自分で倒す(電動)。
16:20 落ち着いたので、ベッドを起こす。
カテーテルを入れたところを見てみる。オムツを剥がすが、テープがベタベタ貼られてて確認できない。
16:50 看護師に歩くのは食事をとった後にしましょうと言われた。もう歩くのか。
また頭から血がひいたようになり、気持ち悪くなったのでベッドを倒す。
食事になるのでベッドを起こしましょうと言われたけど、さっき倒したばかりなのでと断る。
17:45 血圧測定。問題なし。

18:00 夕食。堅いアジだ。
あまり体を起こさなくても食べられるようにと親切に串が刺さってる。おにぎりになってたり。でも、お浸しは無理がある。持ち上げたらすぐ落ちた。

あれ?気づいたら首に大きな絆創膏が付いている。聞いてビックリ、ここからもカテーテル入れたそうな。上と下から。上は静脈、下は動脈、両方必要とのこと。

18:45 さあ歩いてみましょう。あれ、血圧低い。上が78。後にしましょう。
さっきから起き上がると気分が悪いのは血圧が低いせいだ。
歩けるようにテーピングは外す。傷が見える。青タンになどなってない。綺麗なもんだ。
トイレから帰ると股関節のところがぽこっと腫れている。
少し内出血してるみたい。
痛くない。けど、押されると痛い。トイレに行ったのが悪影響した様だ。

ここから1時間ごとに股関節を確認することに。うとうとすると看護師さんが来て出血がひどくなっていないか、腫れが大きくなっていないかを確認する。感謝。でも眠れない。
4,5回チェックの後、0時過ぎ、もうOKでしょうとなる。朝まで確認なし。

■入院3日目
5:00 目が覚める。
看護師さんを呼んでトイレへ。
血圧は上が108。戻った、異常なし。
オムツからパンツへ。

ずっと寝てるので、とにかく腰が痛い。
腰が痛いのは熱のせいもあるな。38度あった。

朝食。食事中に執刀医の先生が現れる。
「心拍は安定してます。安心してください。
熱は出てしまいます。解熱しても薬が切れればまた熱は出る。辛くなければ薬は飲まなくていいです。
カテーテルを入れた周辺は、(カテーテルで)ぐりぐりしたので血腫になってしまうのは仕方ない。血が滲み出してしまう。自然に良くなる。痛くなければ大丈夫です。今日明日は安静にしてください。」

9:30 血圧上が120。上がった。体温37度。下がった。
蒸しタオルで身体拭いて、着替え。さあ、退院だ。
10:10退院。
昨夜は内出血があったり血圧が低くて起き上がれなかったり、そして今朝は熱があったりしたけど、予定通り退院。ちょっと驚き。

3. 退院後の経過、体調が戻るまで

●術後1日目 (日)
ひどい頭痛と微熱。熱は37.2度。
バファリンを飲む。
薬が効いた様で頭痛はおさまった。
●術後2日目 (月)
頭痛と微熱が続く。
予定では今日から仕事、在宅勤務を始めようと思っていたが、1日様子を見ることにした。
午後になり頭痛がひどくなり、またバファリンを飲んだ。
仕事復帰リハビリのため、椅子に座って作業をしてみたが、つらくて長続きしなかった。
●術後3日目 (火)
術後初の在宅勤務
頭痛の兆しがあったので、痛くならないうちにバファリンを飲んだ。
変な咳が出だした。
なんとか1日仕事ができた。
●術後4日目 (水)
術後初の出勤を決断。
頭痛薬は止めてみた。
空咳がまた出る。
午後からひどい頭痛。退社。会社の駐車場で頭痛薬が効き出すのを待ってから帰宅。
帰宅後は安静にして過ごす。
●術後5日目 (木)
在宅勤務。
血液をサラサラにする薬、エリキュースの説明冊子をもらっていたことに気づき、読んでみると副作用が出ることがあると書かれている。下記冊子のコピーの右下に記載がある。
「から咳」とある。これだ!
症状がみられた場合はすぐに医者に相談してくださいとある。

仕事の合間に病院に電話。
咳について確認すると、
「エリキュースは大事な薬なので飲み続けてください」とのこと。
「つまりは良くあることということですか?」と聞くと、
「はいそうです。慣れちゃう患者さんもいます。飲み続けて大丈夫です。」
すぐに医者に相談、と書いてあったのに拍子抜けの回答だ。
もう一つ質問、「ひどい頭痛があるのですが大丈夫でしょうか。バファリンを飲んで抑えてしまってますが、問題ないでしょうか。」
「頭痛薬で治まるのであれば問題ありません。」
少し安心。
そしてまた頭痛がして、午前中にバファリンを飲んだ。
●術後6日目 (金)
今日も頭痛と空咳。バファリンで抑える。
結局術後1週間、頭痛に悩まされた。
さらに空咳もきつい。話すと出るので、出社はしづらい。

●術後第2週目〜4週目
ようやく頭痛がおさまり、頭痛薬なしで1日過ごせる様になる。
しかし空咳は止まらず。
さらに強いダルさが現れる様になる。熱があるようなダルさ。全身に力が入らない。
熱がある様なと書いたが、実際に測ってみると37度ある時もある。微熱。

術後第3週、第4週目も状況は変わらず。

●術後1ヶ月、退院後初の受診
手術の説明を主治医から受ける。
「あなたのカテーテルアブレーションは焼灼ではなく冷凍です。どちらも効果は同じなのですが、冷凍の方がバルーンを使って必要な箇所を一気に治療できて有利なのです。焼灼だとレーザーで、点をつなげて丸を描かなければならないが、冷凍だとバルーンの先を冷やせば円状に一気に治療できます。」
初めて聞いた。。。
焼くのだとばかり思っていたら、冷凍とは。
術後、頭痛と発熱が1週間続いたことについて聞くと、鎮静剤の影響でしょうとのこと。
手術中に強い麻酔をしましたからね、とのこと。

そして今もまだつづくつらい症状、空咳と強いダルさについては、薬のせいとは言い切れません、まあ、あるでしょう。あと2ヶ月様子見ましょう、と。
薬(エリキュース)はこの日で止めていいと許可が出た。
よかったぁ。空咳は絶対薬の副作用だと思っていたので。

運動に関する注意事項はなし。何してもいいですよと。
「でも先生、今のダルさでは何もする気になれません。」
「ああ、そうでしょう。ムリはしないでください。
 あと、前にも言いましたがお酒は控えめにお願いします。心臓に良くないですから。」

帰宅後、あらためて手術前にもらった下に示す冊子を見てみる。
左:表紙、右:裏表紙

うわっ、電極カテーテルと治療用カテーテルの2本使うことと、食道温度測定用のカテーテルを挿入することが書かれてる。それで先生からは説明が無かったのか。

あと冊子の裏表紙にある「心房細動ナビ」なる下記ページに行ってみる。
https://www.shinbousaidou-navi.com/
ここには動画付きで手術について詳しく説明されている。
ああ、これを見るべきだった。。。
(でも見ないせいで気楽にできたか?)

さらに気づいたこと。iPhoneのヘルスケア」アプリで「ブラウズ」「心臓」と見ていたら、「心拍変動」という項目がある。タップして驚いた。
手術前(左)と手術後(右)とで大きく違っている。治ったということか!






●そして薬を止めて2週間目(手術から1.5ヶ月)
空咳が止まった!嬉しい。

●さらに1週間経過(手術から1ヶ月と3週間)
ダルさが抜けた。やっとだ!やったぁ!
きっかけはジョギング。この日もダルくて体に力が入らない感じ。
朝、1.5キロ先のスーパーマーケットまで歩いて買い物へ。
帰宅するとぐったり。いつも通り。体温を測ると37度。
でもこの日はこのあと、思い切ってジョギングをすることにした。6キロ。
すると、
ダルさがおそってこない。
そしてこの日以来、ピタッとだるさが抜けた。
考えられる要因は、
・薬がやっと抜けた
・ジョギングして汗を流して、それがきっかけとなった
・血圧が低いせいなのではと1週間前からレバーを食べ続けていた
(近所で売っているレバーの赤ワイン煮を2つくらいずつ)
・同じく血圧を気にして2週間前から毎朝ヨーグルトにプルーンを入れて食べてた。
色々試してたので、どれかは特定できないが、どれも関係している気がする。
とにかく「治った」

発症から3ヶ月弱、スッキリしました。

なにか質問があればお答えしますのでご連絡ください。

#心房細動 #カテーテルアブレーション#エリキュース

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